闇に輝く大きな光
イザヤ9：1－7
イエスの降誕は、旧約聖書に預言されていた。当時のイスラエルは、政治的にも霊的にもどん底の状態で、どこにも希望がなく、神から全く見放されたかに見えた(8:21,22)。しかし、暗黒から光へ、絶望から希望へ変えられる預言が与えられた(1,2節)。これは私たちにとっては、イエスによる救いの恵みの預言だ。
私たちはかつて「闇の中を歩んでいた民」「死の陰の地に住んでいた者」で、罪のため滅びの暗黒の中に死んでいた者だった(ｴﾍﾟ2:1-3)。そのような私たちに、神は豊かな憐れみと大いなる愛を示され(同4)、御子の血によって生きる者にしてくださった。この御子こそ「大きな光」(1節)だ。
6節にキリストの4つの名が記されている。
１．不思議な助言者。
“Wonderful Counselor”(不思議な弁護者(英))とは、別の助け主、つまり聖霊の名だ(ﾖﾊ14:16)。主イエスは、私たちのために不思議を行って、サタンの訴えから弁護してくださる(ｾﾞｶ3:1-5)。主は十字架の血潮で私たちの罪を赦すばかりでなく、聖霊によって一切の汚れを潔めてくださる。これは不思議な贖いだ。キリスト降誕の目的はそこにある。
２．力ある神。
イエスは処女マリヤから誕生された。人間の目には非現実的なことだが、神には何でもできないことはない(ﾙｶ1:37)。不可能を可能にされる神、死人を生かし、無から有を呼び出される神だ(ﾛﾏ4:17口語)。この御方を信じるのが私たちの信仰だ。とても望むことができない時に望みを抱いて信じる者となりたい(同18)。
３．永遠の父。
神は私たちを無限の愛で愛し、決して見捨てられない(詩68:5,6)。忍耐をもって導き、ついに天の御国にまで至らせてくださる永遠の父だ。
４．平和の君。
十字架の贖いは和解の福音だ。神は私たちに和解の福音を委ねてくださった(2ｺﾘ5:19口語)。真の平和は福音によらなければ得られない。私たちは委ねられたこの和解の福音を伝えていきたい。
こういうキリストが、罪の闇に輝く大きな光として私たちに与えられている。罪と汚れの深い闇を抱き、滅びるばかりの私たちを照らし、救いと聖潔(きよめ)の全き贖いを与えて、輝かしい勝利の生き方に変える大いなる光、これがキリストだ。神は、ご自身の熱心をもって、御子を赤ん坊として生まれさせたのだ。キリストは、神の栄光を捨てて私たちの所に来られ、十字架の死にまでも神の御心に従われた(ﾋﾟﾘ2:6-8)。このキリストのへりくだりがあったからこそ、私たちの救いがあるのだ。
闇に輝く大きな光の前に出て行こう。主は、私たちの内に全き救いという不思議をなしてくださる。この主に期待しよう。アドベントはまず自らの魂の備えをするときだ。主を内に迎えるために、魂が整えられる時にしたい。
今は終わりの時代だ。アドベントはキリストの再臨を待ち望む時でもある。御前に立てる魂となって、主のおいでを待ち望みたい。